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堀口大學の誕生日

1月8日は堀口大學の誕生日らしい。
誕生日らしいから「今日のradiotalkは堀口先生を語ろうかな」などと思っていたのだが、堀口先生の文章を朗読することの難易度(朗読のみで堀口先生の文章を説明することの難易度)に気付いてしまったからブログにて語る。

堀口大學を語るなどと言っても、自分の中の堀口先生=アルセーヌ・ルパンシリーズの翻訳者、だ。
ボードレールなどは読んだことがない。
だから自然と今回語るのは堀口訳のアルセーヌ・ルパンシリーズについて、ということになる。
ルパン知らんよという人はごめんね。

堀口訳のルパンシリーズ、新潮文庫のルパンシリーズは、少し癖がある。
自分は好きだけれど、合わない人もいるだろうとは思っている。
「これはこれでアリだよね」という好きではなく、「2種類しか翻訳を残せないなら偕成社と新潮社を残す」と即答するくらい好き。
流石に偕成社は消せない、スタンダード…万人受けする翻訳…
堀口先生の翻訳しかなかったら、もうちょい癖を削ぎ落として下さいと苦言の一つも言いたくはなるけれど、偕成社シリーズという盤石の翻訳があるのは本当に大きい。

堀口先生の翻訳は癖がある。
だけどそれは堀口大學の癖というよりも原文の癖、フランス語の癖だ。
フランス語を日本語に移し替えるにあたり、スマートな日本語に寄せていない。
原文と翻訳を付き合わせた時、堀口訳はフランス語に寄っている印象を受ける。
日本語であれば句点であるべきところを読点としているのも、原文がピリオドではなくヴィルギュル(カンマ)だから。
一文が長々としているのも、原文の一文が長いから。
日本語としての語順が崩壊気味なのもフランス語の語順に寄せているから。
等々。
だから堀口訳は素晴らしいのだ、などと言うつもりは毛頭ない。
癖があることは事実だし、合わないという人がいるのもしょうがない。
自分は好きだから、どうしても擁護のスタンスに立ってしまう。
ハマれば文章のリズムを好きになる、一人称がなんだ、読みづらくなどない。
癖はあるよ、でも魅力的なんだ。
たまに原文と付き合わせてみると「この単語はどこから?」と思う箇所もあるよ、でも好きなんだ。
(だいたい、原文にない単語を一切持ってきていない翻訳なんてあるか?)

好きだけどxx、じゃないんだ、xxだけど好き、なんだ。
自分は好き、とても好き。

詩人なだけあって文章のリズムが本当に素敵。
真剣に、真心を込めて、好きだと言いたい。


あれ、待って、これ radiotalkでも全然イケたんじゃない?
おかしいな、当初の予定では堀口先生の翻訳をバリバリ引用するはずだったのに引用せずに終わったね。

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