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100分de名著『カラマーゾフの兄弟』

100分de名著『カラマーゾフの兄弟』全4回。
朗読というものにそれほど心を動かされたことがない人間なのだけど、津田寛治さんの朗読は上手かった。
いや、「上手い」と「心を動かされる」は等価ではないからこれでは言葉が適切ではないか。
津田寛治さんの朗読は上手くて、もっと聞いてみたい、あのシーンやこのシーンをどう朗読するのか聞いてみたい、という気持ちになった。
これは「心を動かされた」と同じだと思う。
イワンとスメルジャコフ、アリョーシャとイワン、ドミートリー、少年たちの雰囲気の違い。
できることなら悪魔とイワンのシーンも朗読してほしかった、一言も触れられずにスルーされてしまった…尺の都合…悲しい…

ドストエフスキーの作品は研究書も考察本も二次創作もたくさん存在する。
声/影響力の大小はあれど、一人一派としてドストエフスキー界隈を捉えることができている。
だからだろうか、亀山先生の解釈展開にも寛容でいられる。
(もちろん亀山先生と自分が全く別の解釈論を持っていると言いたい訳ではない。同じ/似た解釈を持っている箇所も少なくないし、亀山先生の解釈の影響を受けた箇所もある)
twitterでは『解釈違いの壁サー』という表現がなされていたけれど、そんな感じ。
距離の取り方というのだろうか、亀山先生もドストエフスキーオタクの一人ですよ、へ、へ、へ、という受け止め方。
亀山先生すごいです!という声ばかりだったらこんなに寛容に受け止められなかったと思う。

それはまぁいいとして。
テレビでカラマーゾフの兄弟が流れることのワクワク感、亀山先生の解釈論、伊集院さんの本当にカラマーゾフを読んだことがないのか疑わしい的確な質問と感想(台本というものがあってね)、ロシアドラマ版やソ連版の映像を混じえつつ、津田さんが朗読する時間。 そして最後に亀山先生の考えた続編(イラスト&解説付き)。
楽しくなかったはずがない。
取り上げてくれてありがとうございます。

新年の1冊目はカラマーゾフの兄弟かな。