ナナシャルダンダン

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リュウソウジャー第33話『新たなる刺客』ナダ の死

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前回(第30話)書いた感想から抜粋。

カナロが追加戦士にしてはスルリと仲間になったのは、ナダという第2の追加戦士が控えていたからか〜(追加戦士になる前提の発言)と納得しきりのここ数週。
初登場が第26話だからまだ5話しか経っていないのにもっとずっといた気がしてくるナダの存在感。

26話で登場、第32話でやっと仲間になり、そして仲間になった次の回で死亡…
実に2ヶ月もかけて仲間になったキャラクターを、あっさり殺すとは…
最終回間際のキャラクターの死は全く自分でも驚くほど悲しくないのだが、それは一個の生あるキャラクターとしても作品中の登場人物としても、生き切った、描写し切っているからだ。
しかしナダ は違う。
これからだった。
かっこよく「ガイソーチェンジ」を決めるナダ 、
6人が危機に陥った瞬間、颯爽と修行から戻ってくるナダ 、
6人のリュウソウチェンジ+ナダ のガイソーチェンジ、
EDで楽しく踊るナダ 、
そういった可能性が山程あった。
どれも成さぬまま、ナダ は消えていった。

「ガイソー…リュウソウ…ガイソーリュウソウ…ああもう!」
”ガイソーチェンジ”
「そっちかいな」
と、最初で最後の変身がグダグダしていたこと、そのグダグダ変身すらバンバしか見ていなかったこと、このシーンに代表されるように、製作陣は徹底的にナダ を未完成の者として扱っていた。

意味のない死ではなかった。
本人も、ウデンに挑んだ時点で己の死を覚悟していただろう。
しかし、唐突に訪れる死、だった。
そしてそれこそが、彼らリュウソウジャーの置かれている日常なのだ、と改めて強く突きつけられる回だった。
第1話で3人もの師匠が一瞬で死んだように、今回ナダ が道半ばで力尽きたように、彼らリュウソウジャーも死と隣り合わせの戦隊なのだった。
可能性の芽を多く残して死んでいったナダ 、ナダ を殺した製作陣を「人の心がない」だとか「鬼畜だ」と評するつもりはない。
鬼畜ならば、「死にたくない」とナダ に言わせたはずだから。
人の心がないならば、死を覚悟させる暇もなく殺したはずだから。
唐突に訪れた死ではあったが、ナダ 自身は戦いの中で覚悟を決め、そして満足して死んでいった。
それは、製作陣の優しさであり良心だ、と自分は思う。
残された側(リュウソウジャーや視聴者)にとってはやり切れないが、非情で残酷な作りではなかった。
まして、雑に退場させた訳でもない。
この2ヶ月は完全に『ナダ 編』だった。
メインキャラクターの誰よりも深く丁寧に描写されたキャラだった。
ナダ というキャラクターを生み出してくれた製作陣と、ナダ というキャラクターを演じてくれた長田さん、本編前からガイソーグを演じていた清家さんと関さん、本当にありがとうございます。

ナダ の遺品だとか遺体だとか言われているマックスリュウソウチェンジャーですが、めちゃくちゃよかったですね…
コウの睨みつける表情、静かな変身、静かなまましかし騎士っぽさが後退し野獣のような動きになるレッド、とてもよかった…
そして解放された5人に向けたコウの表情よ…
勝ったよ、と安心させたい笑顔を作り切れず、ナダ の死を悲しむ泣き顔が混じる。
いい表情だった。

そして最後のビデオレター。
twitterでも散々言われていたことだが、死を覚悟して撮ったビデオレターよりも、その時は全く死ぬ気もなく撮っていたビデオレターのほうが、キツい…
静かに静かに、剣と銃を合わせる6人と夕陽が、悲しくも美しかった。

蛇足だが、こういう展開を最終回間際ではなくこのタイミングでやったことを自分は高く評価している側だ。
twitterを見ていると「早すぎる」という向きの感想もいくつか見たので一応。
同じ展開の死であっても、どこでその死を入れるかで全く作品中の意味合いが変わってくる。
上でも書いたように、「やり切った死」なのか「可能性を断絶された死」なのか。
自分は、このタイミングがベストだ、と思います。

さて、その他。
うん、ウデンはそのキャラデザからして長くは生きられないだろうと思っていた。
ワイズルーとガチレウスが真面目に懸念するプリシャスが次回登場。
ドルイドン側に波乱の予感。
そろそろラスボスもお目見えするのだろうか。
ここまでワイズルーとクレオンの人気が出ているとこの2人は生き残るような気もしてくるな。

ナダ が加わったことで面白さが加速したリュウソウジャーが、ナダ 亡き後どうなるのかも含めて次回も待ち遠しい作品です。